第10話 クリスマス

第10話 クリスマス

 その日は、二学期の終業式の日だった。 午前中に学校が終わり、創真は誰とも名残を惜しむことなく学校をあとにする。 もうひとりで登下校することにはだいぶ慣れた。その道すがら翼を見かけても、意識しない素振りはできるようになったつもりだ。もともと表情が乏しいほうなのでそう難しいことではない。 あっ——。 校門を出て信号待ちをしていると、チラチラと雪が舞っていることに気がついた。 折りたたみ傘は持っているが...